物価高が市販タイヤ需要にどう影響するか

 日本自動車タイヤ協会(JATMA、山石昌孝会長)は6日、2024年の国内四輪車用タイヤ需要について、23年見込み値とほぼ同じ1億863万3千本になるとの見通しを示した。このうち新車用タイヤは同2%増の4030万7千本、市販用タイヤ(メーカー出荷ベース)は前年と同等の6486万7千本を見込む。新車用は生産回復を織り込む一方、市販用は物価高などの影響が見通せず、前年と同等水準とした。

 新車用タイヤのうち、乗用車用は23年見込み比で2%増の3383万8千本、小型トラック用は同3%増の520万5千本、トラック・バス用は同3%増の126万4千本とした。24年も半導体不足からの生産回復などにより前年を上回る需要を見通す。

 市販用タイヤは、販社販売、メーカー出荷ベースともに6486万7千本を見込む。ともに前年と同じで、コロナ禍前の19年比では8%減となる。

 国内の物価高による消費マインドの低下や、ガソリン価格の高騰の影響が懸念される。タイヤメーカー各社は、昨年から今年にかけて3回ほどの値上げを実施しており、値上げ前の需要変動や買い控えなどの影響が今年も見られるという。22年をピークに横ばいが続く状況については、「22年までの半導体不足による市販タイヤの需要増の影響が残る」としている。

 二輪車や特殊車両用を含めた23年の需要見込みは、7月の予想値から158万5千本引き下げ、1億832万9千本とした。新車用は3959万8千本、市販用は6519万5千本で着地する見込み。

 JATMAは、内閣府や民間シンクタンクなどのデータから、24年の実質経済成長率を1・5%とした。自動車生産台数も前年見込みから2%増の910万8千台とみる。

 物価高や地政学リスクなど先行きが見通しにくい状況が続き、19年のコロナ禍以前の需要に回復するにはしばらく時間がかかる見通し。倉田健児専務理事は「コロナ禍が落ち着き、社会は平常状態に戻っている。タイヤの生産量自体はコロナ以前に戻っていないが、タイヤ産業の明るい将来を願う」と語った。