川崎重工業は8日、2024年3月期の業績予想(国際会計基準、IFRS)で純利益が8月公表の前回予想から350億円引き下げ120億円になると発表した。同社が開発に関わる航空機エンジンの不具合があったため損失を計上したことや精密機械・ロボット事業の販売見通しを下方修正したことなどにより見直した。売上高にあたる売上収益も前回予想比3.2%減の1兆8400億円に下方修正するが、計画通りにいけば過去最高に達する見通し。
二輪車を含むパワースポーツ&エンジン事業は、北米向け二輪車などの増加や為替の見直しがあるものの、新興国向けの減少を見込む。同事業の見通しは、売上収益と事業収益ともに据え置いた。決算説明会で山本克也副社長は「新興国で二輪車の減少を見込むが、北米向け二輪車や四輪車を中心にカバーしていくことになる」などと話した。
一方、年間配当は損失を計上した影響で40円とし、前回予想(80円)より40円引き下げた。
23年4~9月期決算は、売上収益が前年同期比1.3%増の7693億円だった。事業損益は328億円、純損益は233億円のそれぞれ赤字だった。パワースポーツ&エンジン事業は、東南アジア向けの二輪車が減少したものの、欧州向け二輪車や北米向け四輪車が好調に推移し増収となった。販売促進費や固定費の増加により減益となった。