スバルは2日、2024年3月期の営業利益予想(国際会計基準、IFRS)を、前回予想比40.0%増の4200億円(前年同期比57.0%増)に引き上げると発表した。為替が円安に振れているため。売上高は同10.7%増の4兆6500億円(同23.2%増)、当期純利益は同52.4%増の3200億円(同59.7%増)に、それぞれ上方修正した。19年度に会計基準を変更したため、正確な比較はできないが、売上高は過去最高になるとみられる。

 23年4~9月期の業績は増収増益だった。前期実績に対する営業利益の増減要因は、販管費など「諸経費等」の増加が451億円、「原価影響」が334億円の減益要因となったが、「為替影響」が625億円、販売台数影響を含む「売上構成差等」が930億円分の増益要因となった。特に販売台数増加(同17.8%増の46万9千台)による利益貢献が大きかった。

 通期の業績予想は、ドル円の為替レートを前回予想の1㌦=128円から140円に円安方向に見直した影響で、売上高とすべての利益段階の見通しを上方修正した。為替影響が前回予想に比べ1401億円の増益要因となるほか、貴金属価格の低下などにより、原価影響も306億円の増益要因として働く。大崎篤社長は「業績に与える為替の影響が大きいため、為替を固定して力を評価するようにしている」と述べた。

 決算発表と合わせて、群馬製作所(群馬県太田市)に建設中だった新たな開発拠点を24年1月に「イノベーション・ハブ」として開設することも明らかにした。