損害保険ジャパンの白川儀一社長が辞任する意向を固めたことがわかった。9月8日15時半からの会見で表明する。ビッグモーター(和泉伸二社長、東京都港区)の自動車保険金の不正請求問題で、同社の不正を把握していながら、停止していた取引の再開を社長自らが促していたことなどの責任をとる。

 ビッグモーターの不正については損保ジャパンや東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の大手損保3社が独自に調査をし、一定の割合で疑義案件があることがわかったため、2022年6月に3社が入庫誘導(保険契約者に修理先工場として紹介すること)を停止した。しかし損保ジャパンだけが7月に再開していた。白川社長は再開前の役員会議で、ビッグモーターが不正していた可能性が高いと認識しながら、取引再開を促す発言をしていたことが判明している。大きな保険取引があり、関係が悪化することを避けたかったとみられる。

 保険契約者保護の観点から問題があるとして金融庁はこの点を重点的に調べていた。