会見で謝罪する損保ジャパンの白川儀一社長(写真左)とSOMPOホールディングスの櫻田謙悟会長(写真右)

ビッグモーター(和泉伸二社長、東京都港区)の自動車保険の不正請求問題で、損害保険ジャパンの白川儀一社長が9月8日に都内の本社で会見し、辞任を表明した。ビッグモーターの不正を把握していながら、停止していた取引の再開を社長自らが促していたことなどの責任をとった。

白川社長は会見で「関係者のみなさまにご心配、ご迷惑をおかけした。心よりお詫び申し上げる」と陳謝した。また、同社はSOMPOホールディングスの石川耕治グループCERO執行役員常務が8日付で損保ジャパンの代表取締役副社長執行役員に就任したと発表した。次期社長については今後指名委員会で検討していくという。

ビッグモーターの不正については損保ジャパンや東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の大手損保3社が独自に調査をし、一定の割合で疑義案件があることがわかったため、2022年6月に3社が入庫誘導(保険契約者に修理先工場として紹介すること)を停止した。

しかし、損保ジャパンだけが7月に再開。白川社長は再開前の役員会議で、ビッグモーターが不正を行っていた可能性が高いと認識しながら、取引再開を促す発言をしていたことが判明している。大きな保険取引があり、関係が悪化することを避けたかったとみられる。

保険契約者保護の観点から問題があるとして、金融庁はこの点を重点的に調べていた。

会見には親会社SOMPOホールディングスの櫻田謙悟会長も同席した。会見で、白川社長同様に陳謝した。