損害保険ジャパンは28日、2024年1月に予定していた自動車保険の値上げを見送る方針を明らかにした。ビッグモーター(和泉伸二社長、東京都港区)の自動車保険金の不正請求問題で、同社と損保ジャパンが深い関係にあり、金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受けるなどしていた。損保ジャパンは保険契約者から理解を得られないと判断した。
損保ジャパンは23年5月に開いた投資関係者向け説明会で、白川儀一社長が保険料の値上げに言及していた。ただ、7月上旬にビッグモーターが不正請求を事実上認め、損保ジャパンもビッグモーターに37人を出向させていたことなど、他の損保会社よりも密接な関係が明らかになってきた。同社では現在、親会社のSOMPOホールディングスが社外弁護士による調査委員会を設置してビッグモーターとの関係などについて調べている。
損保ジャパンの値上げ見送りは、他の大手損保会社の判断にも波及する可能性もある。