JFEスチールは、部品形状や接合位置の最適化を図る「JFEトポロジー最適化技術」が、いすゞ自動車の小型トラック「エルフ」のキャブ(運転台)の設計手法に採用されたと発表した。JFEのトポロジー最適化技術がトラックのキャブに適用されたのは初めてで、室内空間の拡大と車体軽量化につなげたとしている。

 トポロジー最適化技術は、決められた設計空間の中で、要求を満たす性能に必要な部分を残存させ、最も効率の良いレイアウトを求める解析方法。JFEの設計技術では、部品単位の最適化ではなく、設計空間を車体の一部として組み込んで解析するとともに、スポット接合自体を設計空間として解析する。これによって車体各部への荷重伝達を車体構造に正確に反映して高精度な解析が可能になるとしている。

 今回、いすゞはJFEとの協業で新型エルフの主要骨格を設計した。JFEのトポロジー最適化技術を適用してドライバーの居住性向上を図るため、室内空間を最大限広げるとともに、車体軽量化を図った。新しい部品の形状設計や、高効率接合位置を検出するのに、トポロジー最適化によるCAE(コンピューター支援設計)技術を適用した結果、先代と比べて大幅な軽量化を達成したとしている。

 JFEは、自動車の性能の維持と軽量化のニーズに対応するため、高張力鋼板(ハイテン材)の供給に加え、部品形状や接合位置の工夫で実現する設計手法を開発・提供している。