レゾナック・ホールディングス(HD)は、高強度と磁気特性を両立した異方性ボンド磁石の製造に関する新技術を開発し、特許を取得したと発表した。同社は新技術を活用して、2023~27年度には高特性磁石の開発を完了して量産技術を確立し、28年度までに市場投入を目指す。
ボンド磁石は、樹脂と磁粉を組み合わせた磁石で、等方性と異方性がある。特に、異方性ボンド磁石は磁気特性に優れ、焼結磁石よりも軽量で電気抵抗値が高く熱損失も少ないことから、電気自動車(EV)や電動工具、家電のモーターへの利用が期待されている。
異方性ボンド磁石は、磁気特性を高めるため磁粉の向きを揃える必要がある。ただ、高い強度を求めると高強度な樹脂を使用するため向きを揃えることが難しくなる。この相反性を解消するため同社は新たに高密度成形技術や樹脂・潤滑剤を最適化する技術を開発し、特許を取得した。今後、開発した技術を活用して高強度で磁気特性の高い異方性ボンド磁石の実現を急ぐ考えだ。