パナソニックホールディングス(HD)傘下のパナソニックエナジー(只信一生社長、大阪府守口市)とマツダは21日、電気自動車(EV)用電池の供給に関する協議を始めたと発表した。パナソニックエナジーが日米で製造した円筒形電池を20年代後半に発売するマツダの次世代EV用に採用する。電池の種類や供給量などを詰め、2023年度内の契約締結を目指す。

 パナソニックが日本の自動車メーカーに円筒形電池を本格的に供給する初めての事例となる。パナソニックはこれまで円筒形電池を米テスラに供給していたが、取引先の拡大が課題だった。同社は現在50ギガワット時の電池の生産能力を30年度に200ギガワット時まで増やす計画。新規取引先を増やし、電池事業の拡大を図る。

 一方、マツダは「MX―30」でパナソニック製の角形電池を採用しているほか、20年代後半に発売する次世代EVの調達先の1社としてAESCグループと契約したことを発表済み。米国に製造拠点を持つパナソニックエナジーからの調達により、電池の調達量を確保するとともにインフラ抑制法(IRA)への対応も図る。