UBEは、機械事業を手がける子会社のUBEマシナリーが、電気自動車(EV)などの生産コストを低減できる超大型ダイカストマシンを開発し、日系を含む複数の自動車メーカーと納入交渉に入ったことを明らかにした。超大型ダイカストマシンでEVの車体を一体成型する「ギガプレス」や「メガキャスティング」を実現できる機械で、EV専用プラットフォームを採用する日系自動車メーカーが採用する可能性がある。
開発した超大型ダイカストマシンは、アルミニウム製の車体を一体成型できる金型鋳造法で、生産・稼働時間を大幅に短縮できる超ハイサイクル機。アルミはスチールより材料コストが高いが、一体成型のため、プレス加工・押出成形、溶接や接着などの工程を削減でき、生産リードタイムも短縮できる。金型鋳造法の採用で、EVのコストを2割程度、削減できる見通し。
現在、効果検証用のパイロット設備を設置して、国内外の自動車メーカーと評価や商談を進めているという。
ギガプレスは、EV大手のテスラが欧州の機械メーカーから調達した設備で、一部モデルのアンダーボディの一部に採用されている。テスラはギガプレスの採用部位を段階的に拡大し、EVのコスト低減を急ぐ方針だ。
ギガプレスは、交通事故などで衝突して車体が変形した場合、修理できない問題も指摘されているが、EVの軽量化や生産コストの大幅低減が図れる。EV専用プラットフォームを開発する日本の自動車メーカーもギガプレスに関心を示しているという。