トヨタ自動車は11日、先進技術開発を担当するウーブン・バイ・トヨタ(1日にウーブン・プラネット・ホールディングスから社名を変更)が車載ソフトウエア基盤の「Arene(アリーン)」を2025年に実用化、26年投入予定の次世代電気自動車(EV)に搭載すると発表した。アリーンをトヨタのハードウエアと組み合わせ、新車開発のスピードアップとコスト削減を図る。

 アリーンは、パソコンやスマートフォンのOS(基本ソフト)と同様に、ハードの違いを問わずソフト基盤を共有することで機能の開発や高度化を容易にするものだ。トヨタ生産方式(TPS)をソフト開発に適応した。

 ウーブンでは、トヨタの佐藤恒治社長が7日に発表した「トヨタモビリティコンセプト」に沿った取り組みも進める。静岡県裾野市に建設中の実験都市「ウーブンシティ」を24年夏に竣工し、25年に一部実証を開始する計画で、モビリティの「テストコース」として社会システムとの連携などを検証していく。

 1日付で経営体制も強化した。近健太氏が代表取締役CFO(最高財務責任者)に就いたほか、東崇徳氏とジュリー・ハンプ氏が取締役、小林耕士氏が監査役に就任した。

 ジェームス・カフナー代表取締役CEO(最高経営責任者)は、「私たちの先進的なソフトウエアプラットフォームは、トヨタが次世代EV開発に加え、生活のあらゆる場面でモビリティの価値を拡大させることを可能にする」とコメントした。