東京モーターサイクルショーが24日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。SNS(会員制交流サイト)の普及やコロナ禍などで二輪車に関心を示す若者が増え、二輪車メーカー各社は免許取得後に乗りやすい中間排気量(125cc~400cc)の新型車や参考出品車を多く展示した。50回目の節目を迎えた今回は、過去最大規模の開催となり、前回(12万3439人)を上回る来場者を見込む。
「バイクブームを一過性に終わらせない。より手軽に楽しんでもらえるようにしたい」―。ヤマハ発動機販売の松岡大司社長がこう言って期待するのが、2023年内に発売する「YZF―R15」(155cc)と「YZF―R125」「MT―125」「XSR125」(いずれも125cc)の4車種だ。今のところ、このクラスでヤマハ発はスクーターしか持たないが、スポーツモデルを一気に拡充し、若年ライダーを取り込む考えだ。
「免許取得後の1台目」を狙うのはヤマハ発だけではない。カワサキモータースが約15年ぶりに復活させるのが「エリミネーター」(400cc)。2008年まで設定していた250ccモデルではないが、シート高を735㍉㍍と同社モデルの中でも低くし、足つきが良いのが特徴だ。
ホンダはスクランブラーモデル「CL250」(250cc)を展示した。250ccクラスではスクーターのほか、クルーザー型の「レブル250」やオフロード車「CRF250L」「CBR250R」などを持つが、街乗りを意識した新型車を加え、若年層を取り込みたい考えだ。スズキも販売が好調な「Vストローム250」(250cc)のオフロード仕様車を参考出品し、中間排気量クラスの拡充を視野に入れる。
二輪免許の取得者数(大型二輪、普通二輪、原付の合計)は19年から3年連続で増加しており、21年は38万1974件(同10・2%増)になった。特に増加率が高いのは20代の若者だ。二輪車メーカー各社はエントリークラスを拡充し、新規客の獲得を図る。
一方、前回、注目を集めた電動二輪車では、ホンダが「EM1e:」を出展した程度だった。メーカー関係者は「カーボンニュートラル燃料も注目されており、焦って電動バイクを出そうとする企業が減ったのだろう」と語った。
東京モーターサイクルショーは26日まで。過去最多となる166社・団体が出展し、新型のバイクやカスタマイズパーツ、アクセサリーなどを展示する。