人材戦略を説明する新沼副社長

 住友化学は7日、「人材戦略説明会」を東京本社(東京都中央区)で開き、「60歳以降人材の一層の戦力化」「多様性の深化」「優秀人材の確保」をテーマに人材戦略に取り組む方針を公表した。

 まず、65歳定年制を導入する。労使間の協議を経て2024年4月から移行を始める予定だ。賃金も再雇用では60歳時の年収と比べ40~50%の水準だが、65歳定年制の導入後は段階的に引き上げる。

 現在、同社の60歳以上の社員は全体の約3%だが「10年以内に最大17%まで高まる」(新沼宏副社長)見通し。

 多様性の深化では、新たなKPI(評価指標)を定めた。具体的には、課長相当職以上の女性社員比率を23~27年度の5年間平均で22年度の9.5%から15%以上に高める計画だ。また、子どもが出生した男性社員についても、育児休業や休暇などの当年度中取得率を9割以上とした。同社は男性育休取得率で21年度に73.5%を達成しており、さらなる取得率向上を目指す。

 優秀人材の確保については、会社や部門全体に影響する重要な役割の一部を若手社員に経験させ、グローバルで活躍する人材に育てる「新卒クリエイティブスタッフ採用」に力を入れていくという。

 同社は、24年度を最終年度とする中期経営計画の柱の一つに「持続的成長を支える人材の確保と育成・活用」を掲げる。国内外のグループ全体で多様な人材の採用や育成に取り組む方針だ。