日産自動車とルノーは1月30日、ルノーが保有する日産の株式の出資比率引き下げについて声明を発表した。相互に株式を15%ずつ保有する対等な資本関係に移行するなど、3つの領域で連携を強化する。

協議中の合意案では、ルノーが日産株の出資比率を現行の43%から15%に引き下げ、相互に15%ずつ保有するとともに、両社は議決権を15%まで自由に行使可能とする。三菱自動車を含む3社連合トップの会議体「アライアンスオペレーティングボード(AOB)」は各社の調整の場として維持する。

協業関連では、南米・インド・欧州において、「市場」「自動車」「技術」に関する主要プロジェクトを推進する。ルノーが分社化して設立する予定の電気自動車(EV)の新会社「アンペア」は、日産が「戦略的な株主」となるような出資を行う。

これらの内容は、今後も協議を継続し、日産とルノーが開く取締役会で最終合意案を審議し、正式に決定する見通し。

両社は数カ月に渡り協議してきたが、1月26日に日産の内田誠社長とルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)ら幹部がオンラインで会合した。ルノーの筆頭株主のフランス政府が出資比率引き下げを支持するなど協議が重要な局面を迎えたこともあり、今回の声明発表に至った。

ルノーと日産の資本関係は、1999年に経営危機に陥った日産がルノーの資本を受け入れて始まった。今回の合意により、20年以上続く不平等な関係が解消され、新たな局面を迎えることになる。