新型「セレナ」の運転席周り。シフトボタンの横置き配置で左右の移動がしやすくなった
先代「セレナ」の運転席周り
シフトボタンを縦置きに配置したホンダ「ステップワゴン」
トヨタ「ノア/ヴォクシー」のシフト
6年ぶりにフルモデルチェンジした新型「セレナ」

日産自動車は、12月22日に発売した「セレナ」でスイッチタイプの電制シフトを日産車として初めて採用した。同社担当者は「出っ張りの少ないデザインにしたかった」とスイッチ式シフトを採用した狙いを語る。ガソリン車、eパワー車ともに共通仕様となっている。

シフトが配置されたパネル内には、エアコンの温度・風量調整やハザードランプのスイッチも組み込んだ。従来モデルよりもシンプルな配置にしたことにより、運転席の足元スペースを約120mm拡大した。シフトの出っ張りが無いため、運転席と助手席間の移動が容易になった。

スイッチタイプの電制シフトは、競合ミニバンではホンダ「ステップワゴン」のハイブリッド車が採用している。ステップワゴンのシフトは縦置きだが、セレナは横置きとした。担当者は「様々な試験を行った結果、人は縦よりも横に置いた方が判別しやすいことがわかった。慣れてきたら操作しやすくなる」と話す。

また、誤操作防止にも配慮した。押した感覚でわかるよう、「R」(リバース)のみスイッチの形状や押し方を変更するなど、意図しないシフト操作による誤動作が起きないような工夫を行った。

担当者によると、スイッチタイプの電制シフトの導入には、社内では様々な議論があったという。「使いやすさを相当評価して今回の完成形に漕ぎつけた」(担当者)とし、使い勝手に自信をのぞかせた。

セレナは6年ぶりの全面改良で、パワートレインや安全機能などを大きく刷新。ファミリー向けミニバンとして随所で使い勝手を向上した。