三菱ケミカルグループは24日、英キャッセル工場で生産するアクリル樹脂原料のMMA(メタクリル酸メチル)の生産終了に向けた労使間協議を始めたと発表した。ウクライナ情勢による原燃料価格の高騰、欧州での経済減速に加え、MMAモノマー市場の需要が低迷しているため、継続が難しいと判断した。2023年1月に最終判断する。

 同社はMMA世界トップメーカーで、同工場ではMMAモノマーやメタクリル酸、高級メタクリル酸などを年間約20万㌧生産している。自動車向けでは、テールランプカバーなどに採用されている。MMAモノマーでは、年間約17万㌧を生産しており、MMAモノマーのグローバル生産の1割程度を占める。

 22年1月から、定期修理で稼働を停止していたが、原燃料価格の高騰などを背景に現在も停止を継続している。すでに、欧州向けMMAはサウジアラビアやアジア地域から供給している。

 同工場の従業員数は300人以上で、今回の生産終了に伴い最大238人が解雇対象となる見込み。