CFRPやバッテリーの電解液がEV・モビリティ事業成長のけん引役となる

 三菱ケミカルホールディングスグループは、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の電解液や、自動車の軽量化ニーズの高まりに対応する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の事業拡大に乗り出す。成長が見込める材料を提供して受注の拡大を図る。EV・モビリティ関連事業の売上高を、2025年に21年度の実績と比べて65%増となる2800億円に引き上げる計画だ。

 同社は収益性が高く、成長が見込める機能商品セグメントを強化する方針を掲げている。EV・モビリティ関連事業もその一つで、自動運転や電動車、コネクテッドカ―などの自動車のトレンドに対応するバッテリーや軽量化材料、車載通信デバイス関連事業を強化する。とくに高い成長を見込んで事業のてこ入れを図るのが車載用リチウムイオン電池向け電解液と自動車部材向けのCFRPだ。

 車載用リチウムイオン電池の電解液の同社のグローバルシェアは21年度が13%だったが、25年度には25%に引き上げる計画。同社は高性能な車載用リチウムイオン電池向けの高品質な電解液に強いが、今後「低コスト品が求められる」(瀧本丈平執行役エグゼクティブバイスプレジデント)見通しで、ライセンス供与や委託製造などでコスト競争力を高め、シェアを拡大していく計画だ。

 CFRPは現在、航空機向けが主流で、自動車の採用実績はスポーツモデルなどの一部にとどまる。自動車の低燃費化ニーズや、EVの航続距離を伸ばすため、車体の軽量化ニーズが高まっている。これまでCFRPは高価なことが普及のネックとなっていたが「高くても使う価値があるという考えが徐々に浸透している」(同)という。このため、CFRPの採用が見込まれる上級車や商用車、EVをターゲットに、需要に対応する材料を提供できる体制を整えていく。速硬化プリプレグや熱可塑性炭素繊維など、量産車向けを想定した材料と技術を確立する。

 機能商品セグメントの研究開発では、横浜市内に新設した研究棟も活用する。中・長期の成長を見据えた材料の基礎研究に重点を置いた拠点。グループ全体のリソースを有効活用して、市場拡大が見込まれるEV向けなどの材料の需要を開拓し、EV・モビリティ関連事業の拡大につなげていく構えだ。