ダイハツ工業は国内の生産体制を再編する。京都工場(京都府大山崎町)の大幅改修工事が完了したのに合わせ、池田工場(大阪府池田市)の生産車種を京都工場に移管し、池田での量産車の生産を終了した。国内生産能力は1割減少し年間94万台になった。今後は京都に導入した最新の生産技術や設備を他工場に展開する一方、池田は電動化の推進などに向け、開発機能を強化する。国内の事業体制を最適化し、市場縮小とカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の要請への対応を図る。

 改修工事を進めていた京都工場で7日、奥平総一郎社長が池田工場の生産車種を京都に移管したことを明らかにした。

 全国に5つある車両生産工場を4つに集約した。池田での「トール」、トヨタ「ルーミー」、スバル「ジャスティ」の生産を8月に終了し、京都に移管した。池田の生産能力は19万8千台で、21年度は19万4千台を生産した。量産車を京都に移管することで、今後生産するのは少量生産車の「コペン」のみとなる。量産終了後の跡地活用は未定だが、池田は19年に開発拠点を新設しており、今後電動化などの開発機能を強化する。工場の1千人あまりの雇用は維持し、京都をはじめ、他の事業所に配属転換する。

 本社に隣接する池田工場は、1961年5月に操業を開始した同社で最も古い工場で、これまで主に小型車やトヨタ自動車やスバル向けのOEM(相手先ブランドによる生産)車を生産してきた。京都工場は73年操業と池田よりも新しく、パワートレイン部品を生産する滋賀の部品工場とも近い。京都に投資を集約し、国内生産体制を最適化する。事業効率を高めるとともに二酸化炭素(CO2)排出量を削減する。

 一方、京都工場では350億円を投じ、新しい生産技術や設備を導入した。生産能力を従来の13万4千台から23万台に引き上げ、人員態勢を885人から1669人に倍増した。トヨタ向けを含む小型車の生産拠点としての役割を強化するとともに、次世代生産技術のモデル工場として役立てる。

 7日にはインドネシアに2兆9千億ルピア(約250億円)を投じてスンター工場の2本ある生産ラインのうち1本をカラワン工場に移管することも発表。移管後のカラワンの生産ラインには、京都で取り入れた生産技術や思想を導入し、生産効率の向上やCO2排出量の削減を図る。

 生産体制を見直した背景には国内市場の縮小に対する危機感もある。現在の稼働率はトヨタ向けの生産台数の増加で8~9割以上で推移しており、生産能力の余剰感は強くないものの、ダイハツは国内生産車の輸出を行っておらず、国内市場が縮小すれば稼働率は低下する。

 国内の完成車工場では三菱自動車が21年8月にパジェロ製造(岐阜県坂祝町)を閉鎖し、ホンダが同年12月に狭山工場(埼玉県狭山市)での完成車生産を終了した。生産体制を最適化する動きが広がっている。