ミライ(日本仕様)

 トヨタ自動車は26日、中国で燃料電池車(FCV)「ミライ」を発売すると発表した。広汽トヨタの販売ネットワークを通じ、まずは50台限定で販売する。電気自動車(EV)の普及が先行する中国だが、水素を燃料とするFCVも政府が定める「新エネルギー車(NEV)」となる。トヨタはFCVの販売に乗り出し、中国における水素社会構築への足掛かりにしたい考えだ。

 北京、上海、広州、仏山の4都市にある8販売店で限定販売する。日本で生産した車両を輸出する。価格は74万8千~75万1千元(約1500万円)と、日本での販売価格の約2倍となり、高級セダンとして売り出す。

 トヨタは、2月に開催した北京オリンピック・パラリンピックにミライを111台導入している。こうした車両は広汽トヨタを通じ、南沙、広州、北京でFCVタクシーとして運用を開始し、一般消費者に水素モビリティ社会の体験を促す。

 トヨタは中国でのFCV普及に向け、2020年に地元自動車メーカー5社と「連合燃料電池システム研究開発」を設立。21年には北京億華通科技と合弁会社の「華峰燃料電池」設立で合意し、23年から商用車向けのFCシステムの生産を開始する計画だ。