水素エンジンを搭載してレースに参戦する「GRカローラ」

 トヨタ自動車と日野自動車、いすゞ自動車、デンソー、コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)の5社は8日、大型商用車向け水素エンジンの企画と基礎研究を開始したと発表した。トヨタが水素エンジン車で参戦するスーパー耐久レースで得た技術的知見を大型商用車向けの開発に生かす。

 トヨタは2021年5月から水素エンジンを搭載した「カローラ」でスーパー耐久に参戦。回を重ねるごとにエンジン出力やトルク向上を図ってきた。エンジン内部への水素燃料供給にはデンソーのインジェクターを採用している。トヨタはレース活動を通じ、水素エンジン技術の〝手の内化〟を進めてきた。実用化に向けては航続距離の短さがハードルの一つとなっていたが、その点において大型商用車は水素タンクの設置スペースの融通が利く。日野といすゞが持つ商用車設計やディーゼルエンジン技術、商用車連合の技術企画会社であるCJPTがそれぞれのノウハウを持ち寄り、大型商用車向け水素エンジンの可能性を検討する。