日本ソープボックスダービー協会(多田哲哉理事長)は、「地球のチカラ(重力)」だけで走るクルマ「ゼロエミッションのソープボックスダービー(SBD)カー」を介した社会貢献活動を1998年から展開している。2003年に協会を設立し、少年・少女のドライバーがSBDカーで坂道を走り、その速さを競うカーレース「オールアメリカン(AA)SBD国際大会」の日本本部として、国内の代表選考会開催と国際大会の参加支援のほか、普及活動を行っている。

 レースの醍醐味を伝えることは、クルマへの興味喚起につながる。国際大会への参加支援は、子どもらの異文化交流にもなる。さらに01年から継続して実施している代表選考会では、大会開催地の首長に名誉会長を依頼。地域の自治体や企業・団体と協働・連携する取り組みを通じて、地域活性化にもつなげている。

 青少年の健全育成プログラムになり得るという観点から、年間を通じて全国で開催される大小さまざまな自動車業界の各種イベントにも参加協力。子どもがクルマやトラックに親しむ機会や、親子で交通安全について考える機会を提供している。

 SBDの説明ツールとして考案した「モックカー」の工作教室も引き合いが増えている。これは、10分の1モデルの木製ミニカーキットで、クルマに親しんでもらうだけでなく、ものづくりや創意工夫の喜びを伝える役割も果たす。「エネルギーを学ぶ理化教材」として、SDGs(持続可能な開発目標)教育にも役立っている。

 SBDの魅力を伝える活動から「子どもがクルマに親しむ文化」の醸成につなげるとともに、「企業イベントの雛形」として普及を目指している。SDGsを目指す社会において、自動車業界のコミュニケーションも支援していく方針だ。

(次回は6月17日、五十音順に掲載します)