日産自動車は、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」活動を2018年から推進している。電気自動車(EV)の普及を通して「環境」「防災対策」「エネルギーマネジメント」「観光」「地方での交通課題」といった地域課題の解決を目的とした活動だ。開始から3年で全国150件を超える自治体や企業とパートナーシップを結んでいる。

 10年12月に販売開始したEV「日産リーフ」は累計15万台以上となり、同等クラスのガソリン車と比較すると約74万㌧の二酸化炭素(CO2)を削減したことになる。また、リーフの使用済みバッテリーの再利用は、新たに電池を製造した場合に比べ、約5300㌧のCO2排出削減に貢献している。

 自治体や企業など多くのパートナーシップによる防災対策の連携も進めている。地震・風水害などの災害による大規模停電が発生した際、避難場などにおいてリーフを非常用電源として活用する災害連携協定を自治体と締結。さらに地域ごとに異なるニーズに合わせて、地元企業も協定に加わっている。平常時も防災イベントなどで「走る蓄電池」としての活用を住民にアピールするなど、環境・防災意識向上を促している。

 EVを通じた再生可能エネルギーの利用も促進。西日本電信電話、NTTスマイルエナジーと実施した実証実験では、太陽光発電システムで発電した電気をビルで自家消費しつつ、3台のEVや定置型蓄電池を遠隔制御した。これにより、約90万円のエネルギーコストと約10㌧のCO2削減効果が得られている。

 ヤマガタデザイン(山中大介社長、山形県鶴岡市)と締結した「電気自動車を活用したまちづくり連携協定」では、EVカーシェアリング、教育、災害対応などで連携することを盛り込み、庄内エリアの地域経済に貢献。熊本県阿蘇市とは、同市が21年から開始した観光地におけるEV優遇策を共同でPRするなど、観光地のアクセスビリティを改善し、地域の産業振興に貢献する活動を展開している。

 (次回は6月10日、五十音順に掲載します)