積極的な設備投資でエーミングやアライメント作業に備える
関根武史代表取締役

 2006年4月に設立し、翌年1月に現在の所在地に移転したプロモート(関根武史代表取締役、新潟市南区)。移転時から四輪アライメントテスターを導入し、「しっかりとした整備をした上でお客さまに車両を渡したい」との思いから、アライメントとエーミング作業に積極的に取り組んでいる。

 関根社長は、実父が新潟市内で自動車整備工場を営んでいたことから幼少のころよりクルマに触れる機会が多く、自然と自動車整備業に進路を進め、実家とは別の整備工場で経験を積みながら整備士資格を取得した。「戻って経営に入って欲しい」との要望があった中、整備の現場に携わることにこだわり01年5月に独立。自宅敷地内に板金塗装(BP)を中心とした整備工場を立ち上げ、新車ディーラーからの受注やレース車両の制作を行ってきた。車体整備を追求し、研さんを重ねていく中で06年に法人を設立。入庫数の増加に伴い作業場所が手狭になったことで現在の場所へと移転した。

 車体整備では高張力鋼板に対応するためスポット溶接機やフレーム修正機を取りそろえる一方、30系プリウスの発売を契機にエーミング事業をいち早く本格化させた。ADAS(先進運転支援システム)車の普及を見越し、一般整備工場として危機感を覚えたからだ。新車ディーラー以外では、ADAS車の整備ができないと思っているユーザーに応えるため、積極的に設備投資してきた。ディーラー工場とそん色なく整備に取り組める環境を整えている。

 アライメント事業は、早期から取り組んでいることもあり、アライメントを取り扱う整備工場として地元での認知度は高い。もともとレース車両の制作を行ってきたことから、アライメントのみで入庫するユーザーもいるほどだ。一概にアライメントといっても、社外ホイールの装着や車高調整を行っている車両は純正と数値が異なる。その上、運転手によって乗り方(クセ)も異なり、純正の基準値よりある程度のふり幅がある。そのため、アライメント時は可能な限り顧客にヒアリングをした上で車両の速度域に合わせ、基準値内でアライメントのセッティングを行う。

 20年2月に立ち上がった日本技能研修機構(JATTO)では、関根社長が設立メンバーとして尽力し、同社は地域のエーミング作業を請け負うエーミングセンターとしても稼働。輸入車などの入庫も積極的に請け負っている。

 〈受賞者コメント〉

 関根武史代表取締役

 まだまだ自分の目標に届いていない。諸先輩方がいる中で身に余る評価をいただき恐縮だ。周りの皆さんに協力いただいているおかげで成り立っていると思っているため、感謝しかない。

 エーミングやアライメントはお客さまが喜んでくれるから取り組んでいる部分もある。今後も技術では徹底的にこだわることで貢献したい。また、自動車整備は誇らしい仕事だと発信していきたい。

(大槻 晃久)