小木曽氏

日野自動車は29日、小木曽聡顧問(60)が社長に就任する人事を内定したと発表した。下義生社長(62)は代表権を持つ会長に就く。小木曽氏はトヨタ自動車出身で執行役員CVカンパニープレジデントから今年2月1日付で日野顧問に就いていた。6月開催予定の定時株主総会で正式に決定する。

下氏は日野専務役員を経て2016年にトヨタに出向した後、17年6月に日野社長に就任。日野がトヨタの子会社となった後、初の生え抜き社長となった。任期中はトヨタとのアライアンスにとどまらず、18年にはフォルクスワーゲン(VW)グループのトレイトンと電動車開発や調達分野で業務提携を結び、20年には中国電気自動車(EV)大手の比亜迪汽車工業(BYD)とパートナーシップ契約を結ぶなど、電動化に向けた多面的な経営戦略を展開した。

6月の定時株主総会では小木曽氏の社長就任のほか、市橋保彦会長が退任、取締役ではトヨタの寺師茂樹氏が退任し、近健太氏が就任する。

小木曽聡氏(おぎそ・さとし) 1983年東京工業大学工学部卒、同年4月トヨタ自動車入社。2013年4月常務役員、15年6月アドヴィックス社長、18年1月トヨタ専務役員CVカンパニープレジデント、19年1月執行役員などを経て、今年2月から現職。1961年1月生まれ。東京都出身。