電子車検証のイメージ

 国土交通省は17日、登録車の自動車検査証のICカード化と、自動車検査証の変更記録などに関する記録等事務委託制度を2023年1月1日に施行すると発表した。同制度に関する準備は今月23日から開始する。軽自動車における自動車検査証のICカード化は経過措置を設けて、24年1月1日の施行を予定する。整備事業者などにとって運輸支局への来訪が不要になるなど申請者負担を軽減するとともに、自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)の拡大につなげる。

 19年5月に公布された改正道路運送車両法の一部の施行期日を定める政令などを、政府が17日に閣議決定したことを受けて国交省が発表した。20日に公布する。

 ICカード化された自動車検査証に有効期間を記録する事務や、検査標章の交付事務を国から指定整備事業者に委託する記録等事務委託制度の創設に伴い、国交相の権限を運輸支局長などに委任する。

 また、自動車検査証のICカード化に伴い、現行の自動車登録検査情報処理システムからの出力方法が印字に限られているものについて、電子媒体など「電磁的手法」を追加する。

 軽自動車における自動車検査証のICカード化に関する経過措置の期限は、23年12月31日までとする。5年ごとに実施しているシステム更改で、登録車と軽自動車で更改時期が1年ずれているため。

 自動車検査証のICカード化によって、オンライン上で自動車関連の申請が可能となる利便性の向上が図れるほかにも、点検・整備などデータの電子化による検査情報の利活用や、リコール情報など情報提供の充実化が期待される。また、自動車整備事業者とユーザーにとっても、車検時間の短縮や車検後の自動車車検証即日交付などが期待できる。