東レは28日、樹脂製品のUL認証登録での不適切事案を受け、31日付で一部製品のUL認証が取り消しになると発表した。対象はABS樹脂「トヨラック」、PLA樹脂「エコディア」、LCP樹脂「シベラス」の3製品の計52品種。UL認証品として販売を継続するものについては再度、認証を取得する。

 UL認証が取り消されるのはトヨラックの45品種、エコディアの1品種、シベラスの6品種。難燃性の不足による取り消しが12品種、難燃性に問題はないが認証取得時の不備による取り消しが40品種となる。このうち20品種は再度認証を取得して販売を継続する。最短で5月末に認証再登録できる製品があるが、20品種すべての再登録完了のめどは立っていない。

 同社は樹脂製品の難燃性に関するUL94規格の取得に当たり、認証試験で指定されたグレードとは異なる試験用サンプルを提出していた。今回UL認証が取り消される3製品のほか、ナイロン樹脂「アミラン」、PBT樹脂「トレコン」、PPS樹脂「トレリナ」の6製品110品種で不適切行為があった。主に自動車や電気・電子、家電製品に使用されている。

 不適切行為の発覚を受け、同社は1月31日付で有識者調査委員会を設置した。主要取引先への説明はほぼ完了したとしている。