日本自動車工業会が31日にまとめた2021年の四輪車輸出台数は、前年比2・1%増の381万8910台と2年ぶりにプラスに転じた。国内生産は半導体不足など部品供給不足で生産が落ち込み、主力の米国や中国向けの輸出は前年実績を下回ったものの、中近東や大洋州向けが増加し、前年実績をわずかに上回った。ただ、コロナ禍前の19年比では同20・8%減となり、回復には至っていない。
乗用車メーカー8社が28日に発表した国内生産台数は同4・2%減となり、三菱自動車を除く7社が前年割れとなった。国内生産が落ち込む中でもトヨタ自動車やマツダ、スズキなどが輸出台数はプラスとなり、メーカーごとの輸出戦略や得意とする仕向け地によって明暗が分かれた。
仕向け地別では、最大輸出市場の米国が同3・8%減の133万1718台、中国が同9・2%減の25万4373台となった一方、オーストラリアは同15・9%増の36万9382台となるなど地域差がみられた。
12月単月の輸出台数は前年同月比3・0%増の38万1925台だった。半導体不足の影響が緩和するなどし、国内生産が回復したため5カ月ぶりにプラスに転じた。
商用車も含む11月の国内生産台数は同3・3%減の75万6625台だった。乗用車は同4・4%減の64万6204台だったが、トラックは同2・3%増の10万3409台、バスは同31・6%増の7012台だった。