ホンダは13日、安全運転支援システム「ホンダセンシング」にカーブ減速支援や交差点車両検知などの機能を追加した「ホンダセンシング360」を開発、2022年に中国市場向けモデルで実用化すると発表した。システムは車両四隅にミリ波レーダーを配置、車両周辺の検知範囲を全方位に拡大した。30年まで中国を含む先進国市場で販売する新車全モデルへの設定を目指す。

 センシング360のシステムは、白線や路肩を検知するフロントワイドビューカメラ、遠方の障害物などを検出する長距離ミリ波レーダーに加え、車両周辺の障害物を検出する4つの中距離ミリ波レーダーで構成する。自動運転レベル3の機能を実現する「ホンダセンシングエリート」で培ったシミュレーション技術や公道の実走行で蓄積してきたデータを活用し、安全性能と信頼性能の向上を図った。

 「フィット」などに採用しているホンダセンシングとの比較では、交差点での右左折時、車両や歩行者を検知して衝突軽減ブレーキを作動させる機能や、車線変更時に後方車両との衝突を回避する機能、カメラが車線の曲率を読み取りカーブ手前で車速を調整する機能などを追加した。

 センシング360は「事故実態に即した研究開発を進めた」(本田技術研究所AD/ADAS研究開発室の四竈真人チーフエンジニア)としており、リアルワールドでの事故回避や被害軽減に重点を置くとともに、高機能化によるコストアップも抑えたとしている。