東海旅客鉄道(JR東海)は、在来線で線路設備の点検を実施する「軌道自動自転車」の電動化に向けた走行試験を開始したと発表した。試験で用いる「電動式軌道自動自転車」は、バッテリーに蓄えた電力で電動機を駆動させる方式を採用。バッテリーには、日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」に搭載されたバッテリーを再利用する。車載用としては一定の役割を終えたバッテリーの新たな活用方法としても期待される。

 JR東海は在来線部門で軌道自動自転車を207台保有している。従来型はガソリンエンジンで走行し、仮にこれらを電動式にすべて置き替えた場合、年間で約3・4トンの二酸化炭素(CO2)削減につながるという。また、騒音と振動が大幅に低減することで指令所などとの情報共有がしやすく、点検中の設備や沿線状況の変化も把握しやすいとしている。

 走行試験では雨期や酷暑・厳冬期、長期間の繰り返し使用などによる走行可能距離や使用可能時間といった性能への影響などを検証。試験は2022年3月まで行い、本格導入に向けて検討していく。