ムーボ・フリートはリアルタイムの車両位置把握が可能

 物流システム開発のハコブ(佐々木太郎社長、東京都港区)は、配達車両の動態管理サービス「ムーボ・フリート」が食品卸大手ヤマエ久野に採用されたと発表した。ヤマエ久野は広島、鳥栖、北九州の物流センターの合計200台の車両にムーボ・フリートを導入。輸配送業務の効率化や、交通障害発生時の車両位置把握による事業継続計画(BCP)の強化などにつなげる。

 ムーボ・フリートは、車両の走行履歴情報を5秒に1回の頻度でリアルタイムに取得できるほか、配送を委託する複数の運送会社の業務を可視化することが可能。また、運行の開始・終了時間や走行距離などの情報を利用し、自動的に日報を作成できるため、走行距離の集計作業が大幅に合理化できる。蓄積したデータを活用して運賃の妥当性を検証することも可能という。

 ヤマエ久野は同システムの有効性を実証済み。8月に西日本を中心とした大雨が発生した時に、同システムの車両位置情報を活用して、ドライバーへの迂回ルート指示や店舗への状況報告を行った。これにより、店舗側も受入れ体制を準備がしやすくなり、BCP対策の強化につながったという。

 ヤマエ久野は、これまで震災時には車両の位置を電話で確認・把握して迂回ルートを指示していた。また、スーパーやコンビニエンスストアへの配送には時間の制約があり、交通状況によっては運行管理者がルートを選びドライバーを目的地まで誘導する必要が生じるため、動態管理の効率化を狙いムーボ・フリートの導入に踏み切った。