相鉄バス(菅谷雅夫社長、横浜市西区)と群馬大学、群大発ベンチャーの日本モビリティ(小峰千紘社長、群馬県前橋市)は2日、横浜市内の公道で路線バスの営業運行による自動運転実証実験を実施すると発表した。相鉄バスが営業運行で自動運転を試すのは初めて。20日から24日まで相鉄線二俣川駅と左近山団地(横浜市旭区)間の既存路線バス区間の一部(往復約9キロメートル)を「レベル2」(特定条件下での自動運転機能)で走行する。今回の実験結果をもとに、自動運転システムによる本格的な営業運行に向けた課題を把握し、早期の実用化を目指す。
実験は、横浜市の「路線バス自動運転プロジェクト」の一環として展開する。鉄道駅に接続する自動運転バスの実証実験は、神奈川県内初という。
自動運転バスには運転手と乗客対応・運行支援を行う保安要員の2人が乗車し、実験区間を往復する。区間中の停留所22カ所すべてに停車し、乗客から通常運賃を収受する。安全を考慮して乗客が着席した状態で運行するため、乗車人数は座席定員数(25人)以内に限る。
実験区間の通常運行便数は日当たり340便、平日ピーク時が1時間当たり30便。自動運転バスは二俣川駅南口発、左近山第5停留所発それぞれ1日当たり3便ずつを予定する。最高時速は30キロメートルに抑える。
路線バス営業運転の自動運転実験は、2~3月に西武バスが実施した。今後も運転手不足の解消などをねらい各事業者による活発な自動運転の実験が見込まれており、実用化の時期が注目される。