相鉄バス(菅谷雅夫社長、横浜市西区)と群馬大学は、日本初の大型バスを用いた遠隔監視と遠隔操作の実証実験を相鉄バス営業所内と公道の2カ所で実施したと発表した。運転席が無人の状態で、運転士が「遠隔監視・操作システム」で操作した。遠隔操作装置などは群馬大発の自動運転ベンチャーの日本モビリティ(小峰千紘社長、群馬県前橋市)が開発協力した。2020年度内に営業運行での実証実験を予定する。

 横浜市の「I・TOP横浜 路線バス自動運転プロジェクト」の一環で7月に実施した。相鉄バス旭営業所(横浜市旭区)に遠隔監視・操作システムを設置し、システムによる走行と停止を実証。同営業所内約290㍍の周回コースと、よこはま動物園(横浜市旭区)周辺の公道約900㍍のコースをそれぞれ最高時速10㌔㍍と20㌔㍍で走行させた。車両には異常があった場合に緊急停止の操作を行う保安者が乗車した。

 自動運転車は日野自動車「ブルーリボン」をベースにした車両を使用した。遠隔監視用のカメラやマイク、スピーカーを装備し、遠隔・監視操作システムでバスの運転席と同じように車内外の状況を確認できる。同システムにはハンドル型コントローラーや呼びかけ用のヘッドセットなどを装備した。

 相鉄バスと群馬大の両者は19年に大型バスの自動運転で共同研究を開始し、自動運転レベル4による営業運転を目指している。19年秋にはよこはま動物園周辺で自動運転レベル2の自動走行で営業運行の実証実験を実施した。