日産と三菱自は共同開発する軽EVを22年度初頭に市場投入する計画(写真は「IMkコンセプト」)

 自動車メーカーが軽乗用車の電気自動車(EV)の開発を本格化する。日産自動車と三菱自動車は共同開発する軽EVの新型車を2022年度初頭に市場投入する。40年までに新車販売のすべてをEVとFCV(燃料電池車)にすることを宣言したホンダは軽自動車についても24年までにEVを投入する計画。スズキとダイハツ工業は、トヨタ自動車グループで技術力を結集して開発する商用EVの知見を、軽乗用EVに生かす。日常生活の足として使われる軽のEV化では、コストをいかに抑えるかが最大の課題で、各社の戦略が注目される。

 日産と三菱自は、両社の軽自動車事業の合弁会社NMKVで軽のEVを開発しており、22年度初頭に市場投入する計画だ。日産が軽乗用EVを販売するのは初めてとなる。三菱自は昨年8月から約80億円を投じて水島製作所(岡山県倉敷市)に新型軽EVの生産ラインを整備している。軽EVの価格を大きく左右するバッテリーの価格を低減して、実用性の高い軽EVの開発を目指す。

 ホンダも軽乗用EVの開発を本格化しており、24年までに市販する計画だ。ホンダの三部敏宏社長は「日本における電動化推進は(市場の4割弱を占める)軽で進めないと全体に広がらない」と、軽自動車ラインアップもEVに切り替えていく。開発する軽乗用EVは、市場での軽自動車の1日当たりの走行距離など、使われ方を分析した上で、搭載するバッテリーの仕様を決めていく。

 軽市場シェアがトップのダイハツと2位のスズキは軽EVの明確な導入時期を明らかにしていない。スズキは電動化について25年までに電動化技術を整え、30年にかけて全面展開する方針を掲げており、軽自動車もEVを開発している。

 また、スズキとダイハツはトヨタグループで発足した商用車連合組織「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」に参画、軽貨物車のEV開発で協業する。「これを一つのきっかけとして乗用車にも広げていく」(鈴木俊宏スズキ社長)としており、スズキとダイハツはCJPTの成果を軽乗用EV開発にも活用していく方針だ。

 軽自動車は日本特有の車種だが、政府はカーボンニュートラル化に向けて35年までに販売する乗用車のすべてを電動車とする方針を打ち出している。自動車各社は軽乗用のEV開発を本格化して自動車の脱炭素化に取り組む方針。地方を中心に移動の足として活用されている軽自動車だけに、コストを抑えた軽乗用EVを開発できるかが問われる。