メビーを柱に事業拡大を図る

 ファクトリーオートメーション(FA)機器や金型の部品製造や流通などを手がけるミスミグループ本社は、オンラインでの機械部品調達支援サービス「メビー」を年内にグローバル展開する。サービスの拡充に向けて、人工知能(AI)やデジタルものづくり分野に強い企業とのアライアンスも強化する。メビーの販路の拡大や、サービス、システム機能を拡充して、同社の事業の柱の一つとして成長を目指す。

 製造業の企業での生産設備の部品調達は、加工メーカーに依頼するのが一般的だ。メビーは設計図のデータを基に、AIが見積もりや納期などを自動算出するサービス。部品発注と同時に生産システムにデータが転送される仕組みも備えており、従来に比べ企業が部品を調達するまでの期間短縮やコスト低減を図れる。

 同社は現在、メビーを国内のみで展開しており、受注品の生産も国内拠点が担っているが、海外市場に販路を拡げる。同社の現在のコアビジネスであるカタログ事業では、グローバルで生産拠点23カ所を設けている。今後、メビーのグローバル展開では、これら海外拠点と既存設備を活用。日系の自動車メーカーやサプライヤー、海外メーカーの近隣の拠点を活用することで、部品の短納期化を実現する。

 また、サービス拡充に向けてアライアンスを活用する。AI自動見積もりとデジタルものづくりに強い米国やフランスなどの海外企業との提携を進める方針。デジタルものづくりでは、すでにアライアンスを進めている。メビー内の試作品を短時間で生産するサービス「ラピッドプロトタイピング」では、米プロトラブズが扱う製品をメビーで試作品として注文できる。今後のグローバル展開に伴う事業拡大を見据え、海外企業とのアライアンスを積極化して生産の効率化を図る。

 自動車の電動化などの技術革新のスピードが速くなっていることから、自動車や部品の開発から製品化までのリードタイム短縮が求められている。こうしたニーズに対応するサービスとしてメビーを全面的に展開して、世界の製造業の労働生産性改善を支援する。