NTNは26日、前輪駆動車の後輪用として大きな転舵角度を持ち、あらゆる懸架装置に対応できるステアリング機能付ハブベアリング「Ra―sHUB(ラスハブ)」を開発したと発表した。新製品は、車両の情報を基にタイヤの転舵角度を左右別々に制御することで、車両のコーナリング性能や高速直進時の安定性を向上、燃費改善に貢献する。2025年度に年間15億円の販売を目指す。

 ラスハブは、同社が18年に開発した前輪用ステアリング補助機能付ハブベアリング「sHUB(エスハブ)」を後輪用に改良した。高剛性で応答性の高いコンパクトな構造とし、プラスマイナス10度の大きな転舵角を持つ。これまで、トーションビームなどのリンク機能がない懸架装置では、後輪転舵させるためには、大がかりな車両の設計変更が必要だったが、ラスハブでは比較的容易に搭載が可能で、あらゆる懸架装置の車両においても後輪転舵を実現することができる。

 同社では、「自動運転技術の普及が進めば、車両運動装置のさらなる高精度化が必要とされ、より高い安全性を求めて後輪転舵へのニーズや後輪転舵角度の拡大が見込まれる」としている。