日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)がまとめた2020年度の四輪車輸出台数は、前年度比22.1%減の367万703台だった。コロナ禍で海外の自動車需要が減少し、2年連続でマイナスとなった。部品供給の乱れが国内工場の稼働に影響したことも響いたとみられる。最大仕向け地の米国は約2割減となり、欧州も3割以上のマイナスとなった。一方、中国は「レクサス」の販売が好調だったトヨタ自動車がけん引し、同12.2%増加した。

 全体の9割を占める乗用車は同22.0%減となった。28日に乗用車メーカー8社が発表した20年度の海外販売は同8.1%減の2021万1816台と低迷。仕向け地の需要低迷が輸出台数の縮小につながった。仕向け地別では中国を含むアジアが同12.0%減、中近東が同34.4%減、欧州が同31.3%減、北米が同18.8%減、中米が同33.4%減、南米が同49.3%減、アフリカが同24.0%減、大洋州が同5.8%減だった。

 日系乗用車メーカーの世界販売や世界生産は下期に入って増加に転じたものの、輸出の回復は緩やかだった。20年10月~21年3月の輸出合計(トラック・バス含む)は同4.6%減の221万7640台。中国は依然として好調だったほか、上期にマイナスだった米国やオーストラリアはプラスに転じたものの、欧州や中近東は低水準だった。

 3月単月の輸出台数は前年同月比4.1%増の39万5656台となり、5カ月ぶりのプラスだった。