スバルの米国工場

 世界的な半導体の供給不足による自動車業界への影響が長期化している。ホンダは半導体不足に加え、慢性的な港湾の混雑なども重なり北米5工場の稼働を22日から停止し、スバルも1月以降生産調整を継続している。日系自動車メーカーだけでなく、欧州自動車工業会(ACEA)も欧州委員会に対し、半導体の安定供給の支援を要請した。コロナ禍からの回復軌道に乗る自動車産業にとって、サプライチェーンの早期安定化が喫緊の課題となる。(一部重複)

 半導体市場は、パソコンやスマートフォン(スマホ)、第5世代移動通信システム(5G)関連の需要が増えていたところへ、自動車生産がコロナ禍からの急回復に転じ、需給がひっ迫。2020年末ごろから車載半導体の供給不足が顕在化した。今夏までには正常化するとの見方を示す向きもあるが、現時点では供給不足の影響が続いている。

 ホンダは、米国とカナダの5工場の稼働を22日から停止する。半導体のほか、昨年から続く港湾の混雑、現地での寒波による部品供給の遅れなどが影響した。稼働停止期間は明らかにしていない。同社は1月に米国の一部拠点で工場を停止し、2月中旬にも大型寒波を受け米国とメキシコで稼働を止めていた。

 スバルは、20年4~12月期決算時点で、半導体不足により3月までに世界生産合計で4万8千台減産する見通しを示した。1月以降生産調整を続けており、来年度も影響が残る可能性がある。また「港湾の混雑や寒波の影響についても注視していく」(広報)としている。

 半導体供給不足の問題は日本の自動車メーカー以外にも波及している。ACEAは欧州委員会に対して、供給課題の解決に向けた支援要請を出した。影響は7~9月まで続くと予想し、欧州での生産規模も当初見通しを大きく下回る可能性があるとしている。欧州自動車市場は、新型コロナウイルスの感染拡大による自動車需要への打撃が大きい。主要18カ国の2月の乗用車新車販売台数は、前年同月比21・3%減の75万8654台なり、新型コロナの影響が依然として色濃く残る。半導体の問題が長引けば、低迷する欧州新車にさらに追い打ちをかける可能性がある。