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 富士経済は、駆動用モーターとインバーター、ギアボックスを一体化した「eアクスル」の世界市場を調査した。電動乗用車向けeアクスルの2035年の市場予測は、19年比で54・3倍の1250万台と予測した。部品の一体化でコスト削減や開発工数の短縮で搭載車が今後拡大すると予想する。

 調査は駆動用モーターとインバーター、ギアを一体化したeアクスルを対象に行った。eアクスルはEVの普及が進む中国で、現地メーカーを中心に搭載が進んでいる。基幹部品を一体化したため、搭載スペースの確保が必要となり、SUVタイプのEVを中心に搭載が進むと想定する。25年には300万台規模、30年には800万台規模の市場成長を見込む。

 普及促進への課題もある。ハイブリッド車(HV)などエンジンと並列して配置する場合には、エンジンから伝わる振動の対策も必要となると指摘する。

 乗用車では採用が進むものの、現状で電動トラック・バスではeアクスル市場は立ち上がっていない。地域では環境規制が厳しい欧州から普及が始まると見られ、35年には5万台規模の市場が形成されるとみる。