武蔵精密工業は、電動二輪車向け駆動システム「eアクスル」領域に早ければ今年にも参入する。得意とするデファレンシャルギア(デフ)の技術を生かし、モーターやインバーターを一体化して提供する。すでに量産を前提とした試作品を開発した。子会社が手掛けるリチウムイオンキャパシタ(LIC)を活用することで、将来的には電池の領域まで業容の拡大をにらむ。今後、市場の伸長が期待される電動二輪車向けの製品群を早期に構築し、新たな事業の柱に成長させる。

 電気自動車(EV)向けのeアクスルは、メガサプライヤーを中心に手掛ける企業が増えつつある。同社は、EV向けにはデフなどを部品単体として供給しつつ、内燃機関を搭載しない電動二輪車向けでは駆動部品をユニットとして提供していく。

 すでに量産を前提としたeアクスルの試作品を完成させており、今年以降、市場に投入する。同社はトランスミッション向けのギアなどを開発、生産しており、近年は電動車向けのデフも手掛ける。得意とするギアボックス周辺は自社で手掛け、モーターなどは専業企業との協業などで開発する。

 電動二輪車の普及が先行する欧州や、二輪車の需要が高い東南アジアなどでの拡販を視野に入れる。将来的には、ラストワンマイルを繋ぐ小型モビリティ向けの開発も視野に入れる。

 また、電動二輪車向けの電池の自社開発も検討する。昨年1月には、LICを開発する武蔵エナジーソリューションズ(旧JMエナジー)を子会社化した。EV用車載電池では、リチウムイオン電池(LIB)が普及しているが、急速充放電性や高温特性などではLICに優位性があるとする。

 今後、LICの技術を生かし、電池領域の開発を進める。