新システム利用イメージ

 日本郵船は、傘下のNYKビジネスシステムズ(玉置融社長、東京都中央区)と共同で自動車専用船の運航スケジュール策定支援システムを開発し、運用を開始したと発表した。従来の手動計算では導き出せなかった最適スケジュールをシステムで掲示可能とし、運航担当者の業務効率化を支援する。  

 新システムは、船舶ごとの運航データをタイムリーに収集する「SIMS」などの社内システムと連携。寄港地や積み降ろし台数などの条件を指定すると、短時間で数十万通りの航行スケジュールをシミュレーションし、船舶ごとに寄港地への到着日時、航行速度設定などの最適解を掲示する。

 同社は自動車専用船の運航スケジュールを、本船と貨物の安全確保を大前提に、寄港地やブッキング台数、貨物積載状況、顧客の到着日要望などを勘案して策定。港の混雑状況や予想される航路上の天候といった変動要素も総合判断に欠かせない要件になっている。

 その一方で、複数の港で積み荷・揚げ荷をする必要があるため、最適なスケジュールを割り出すために多くの手間がかかる。手作業の計算だけではなく関係者との調整が必要なため、運航担当者の業務負荷軽減とノウハウ継承の仕組みづくりが課題となっていたが、新システムを開発し解決のめどをつけた。さらに新システムでは、長期的な知識の蓄積や継承、船舶が排出する温室効果ガスを最小化するスケジュールの策定も可能にした。