自動車関連の海上運送に影響

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、自動車メーカー各社が各国の生産拠点で稼働を停止したことで、海上輸送が大幅に減便するなど影響が出ている。現在は各国政府が都市封鎖(ロックダウン)を解除し始めていることから、各自動車メーカーは生産を再開し始めている。これにより荷動きの回復が期待されるが、消費者の消費意欲が落ちていることなどから先行きは依然として不透明だ。

 国内海運大手の日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社によると、各社ともにほぼ全航路で減便や遅延が発生しているという。ある企業の担当者によると「日本から北米向けの荷量が、足元(4~6月期)で、前年同期比約7、8割減の見通しだ」という。各自動車メーカーの減産と、消費地での販売台数の減少が原因だ。また「5月積みに関しては最も影響が大きく、世界全体で平均4割程度減少している」という企業もある。

 こうした状況の中、配船計画の見直し(係船・停船の実施)や、老齢船の早期処分を検討する企業もある。

 海上輸送については、自動車メーカー各社の生産調整により、4月分の海上輸送量から減少が始まった。その後工場の稼働が完全に停止したことで、5月分の海上輸送量に最も影響が出ている状況だ。中国向けは既に回復してきているが、欧米向けの荷動きはまだ回復してきていない。これにより、6月分の輸送量についても回復の兆しが見えないという。

 自動車部品についても、荷量が大幅に減少するなど、厳しい状況となっている。海運大手3社(川崎汽船、商船三井、日本郵船)が共同出資するコンテナ船運航会社「オーシャン ネットワーク エクスプレス」の日本総代理店であるオーシャン ネットワーク エクスプレス ジャパン(ONEジャパン)によると、自動車メーカーの組み立て部品、補給部品の輸送に関わる航路での輸送状況については「日本発各生産拠点向けの主要航路においては、新型コロナウイルスの影響による減便はこれまでない」という。また、一部部品調達で日本を経由しない三国間トレードでは「減便実施でも日本からの輸出と比べて影響は大きくはない」とした。しかし、自動車部品単体で見ると、各自動車メーカーや輸出先により異なるが前年に比べ5月分は半分程度に落ちている。

 4月時点では各国で多少の生産調整があり荷量は弱含みだったものの、輸送は続いていた。しかし、その後、各自動車メーカーの生産拠点などは、稼働率を大きく低下(停止含む)させ、在庫を抱えている状況だという。この在庫が適正化されるまでは輸送量の回復が見込めないため、6月も5月と同等の水準になるとみられる。

 各国政府がロックダウンを解除し始めていることから、自動車メーカーの生産拠点で生産を再開し始めたところもある。これにより荷動きの回復が期待されるが、消費意欲が落ちていることから先行きは依然として不透明だ。