日産が同システムを活用した場面

 日産自動車は13日、製造業向けICT(情報通信技術)サービスを提供するシーイーシーに対し、体温体調管理システムの使用を無償で許諾すると発表した。日産が発起人として参画している「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」に基づく取り組みで、昨年12月に無償提供した熱画像センサー技術に続き2例目となる。シーイーシーはこれを基に、ICTソリューションのメニューに同システムを追加して販売する。

 日産は出社が必要な従業員に対し、施設への入館時に手指の消毒や体温測定を徹底している。従来、エクセルや手書きで健康状態を報告しており、入力間違いや作業の煩雑さが課題となっていた。

 従業員の安全管理を強化するため、体温や健康状態の管理を一括して行うことができるシステムを開発し、国内の複数の工場に展開している。サーモカメラと顔認証で読み取る方式と、非接触体温計と従業員証を組み合わせた方式を採用。非接触で体温を測定した後、問診表をタブレット端末にインプットし、IDカードで本人認証を行うと健康状態が自動でシステムに登録される。自分で入力する負担やミスがなくなり、監督者も正確な体温などを一元管理することができる。

 シーイーシーは、同システムをICTソリューションのメニューに加え、製造業向けを中心に販売する。