開発や生産など様々な分野でAIを活用する(写真はエンジン音の可視化データ)

 ダイハツ工業は4日、国内の事務・技術系の6500人を対象とした人工知能(AI)人材の教育プログラムを開始したと発表した。2月下旬からは、各部署で実践的にAIを利用したい人向けの専門教育も行い、こうした人材を通してそれぞれの部署内の社員教育につなげる。2020年代半ばには数百人規模のAIエキスパート人材の誕生を目指す。

 同社は技術開発や生産、一般事務の現場でAIツールの活用を進め、全員が当たり前にAIを活用できるような「AIの民主化」を狙う。昨年12月から全スタッフ職を対象とした研修を開始し、今後は「AI道場」と呼ぶ専門研修も実施する。

 生産現場では先行してAI教育を実施。21年1月からは現場従業員が中心となってAIツールを活用し、京都工場で車両に取り付ける部品を物体検出して仕様検査を自動で行うシステムを開発した。本社(池田)工場ではプレス部品の精度を検知するシステムを構築した。

 技術開発分野では、開発中のエンジンの計測試験中に発生するノッキング音をAIに学ばせ、機械が異常を自動識別できるようにして開発スピードアップにつなげた。本社工場の足回り検査工程の打音検査の判定でもAIツールの実装を進めている。