マクセルが開発したAR-HUDの表示画面

 マクセル(中村啓次社長、東京都港区)は、2025年までにすべての車格でヘッドアップディスプレー(HUD)の搭載を目指す。映像機器やプロジェクターなどの光学技術をベースに、すでに軽自動車や小型車に搭載可能な小型化の技術開発を完了しており、今後は受注獲得に向けて世界の自動車メーカーに提案する。また、高解像度化や画像処理技術を活用して表示内容を充実させる機能を追加することで、他社との差別化を図って採用につなげる。

 HUDはドライバーの前方に車速や警告、ナビゲーションなどの情報を表示し、運転中の視線移動を最小限に抑える。また、自動運転車でも自動運行装置の挙動を乗員に知らせる安全支援の機器として注目を集めている。

 同社は今年4月に、中国メーカーの高級車向けに初めてHUDの量産を開始する。搭載品は、拡張現実(AR)の活用で運転席から見える風景にさまざまな情報を重ね合わせる。例えば、歩行者の足元を円で囲み視認性を高めるほか、危険度に応じて色の変化で警告する。また、カーナビとも連携し右左折時に曲がる方向を矢印で示す。現行のAR―HUDは主にハイエンドカー向けで、基本性能は20㍍先に約148型の大画面で映像を映し出すことができる。

 今後の製品ラインアップは、車格に合わせたサイズ展開のほか、表示するコンテンツも充実させる。夜間や悪天候時のカメラ映像を鮮明にする独自開発の画像処理技術を活用して、同様の条件下で走行中にHUDにその映像を表示できるようにしたり、ドライバーの目線に合わせて適切な映像を表示したりする機能を自動車メーカーの要求に応じて追加できるようにする。また、自動運転車で乗員に安心と安全を提供できるコンテンツなども検討していく。