電動車両の国内保有台数は、右肩上がりで増加している。自動車検査登録情報協会(自検協、後藤悦治郎理事長)の統計によると、2020年3月末時点のプラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)の保有台数は、前年比9・9%増の932万6574台となった。21年3月末には1千万台の大台に達する見通しだ。電気自動車(EV)も同10・6%増の11万9159台と、10年連続で増加した。

 20年3月時点におけるHVの国内保有台数の内訳を車種別で見ると、乗用車が同9・8%増の928万1380台で、全体の約9割強を占めた。貨物車は同66・2%増の3万2503台と大幅に増加した。例年、微増で推移していた貨物車だが、商品ラインアップが増えたことなど新型車の投入効果が保有増につながった。EVもHVと同様に商品ラインアップの関係上、乗用車が全体のほぼ大半を占めている。

 政府は、50年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の方針を打ち出し、電動車両の普及に弾みをつけたい思惑だが、実現には自動車メーカーなど産業界の技術革新だけでは難しいというのが現状だ。補助金といった購入支援事業など政策面も重要で、エネルギー政策に関する議論や見直しも必要となる。また、電動車両の普及に伴う税体系のあり方も、ユーザーから強い関心が集まるところである。