日産自動車は24日、8年ぶりに主力コンパクトカー「ノート」を全面改良して来月23日に発売すると発表した。第2世代のシリーズハイブリッドシステム「eパワー」やルノーとの次世代小型車向け共通プラットフォームを新たに採用し、走行性能や乗り心地を引き上げた。新型ノートはeパワー専用車とし、2023年度の電動車販売100万台の達成につなげる。月販目標は8000台。

 24日のオンライン発表会で、星野朝子執行役副社長は「日本で確実に成功を収めることが日産の電動化への道を確固たるものにする。世界中の期待を背負った車だ」と意気込みを語った。

 16年以降搭載車種を広げてきたeパワーは、次世代タイプへと移行する。モーターやインバーター、バッテリーなど主要構成部品の設計を刷新。従来、別体で搭載していたインバーターとモーターを一体化し、40%小型化するとともに33%軽量化した。知能化技術も取り入れ、路面状態や車速をセンシングし、路面状態に応じて発電タイミングを制御する世界初の技術を採用した。また、「ワンペダル」制御を見直し、市街地走行時にアクセルを急に戻しても滑らかに減速したり、駐車時にクリープ走行するなどさまざまなシーンでの操作性を高めた。

 また、先進運転支援技術「プロパイロット」に日産車として国内初搭載のナビゲーション連携機能を追加した。標識を検知して自動で設定速度を変更するほか、ナビの地図情報を基にカーブの大きさを予測して、減速を支援する。

 ルノーと共同開発したコンパクトカー向けプラットフォームを採用した。全長は4045ミリメートルと従来に比べ55ミリメートル短縮してコンパクト化しつつ、ボディー剛性を3割向上させ高い安全性を確保する。外装は力強さを演出するリアのシルエットに加え、ボディー周りに一本のプレスラインを施し存在感を出す。ボディーカラーは全13色を用意。日産の新たなブランドロゴを採用する。内装はメーター・カーナビゲーション統合のディスプレーを採用する。

 3グレード(2WD)展開で、価格は202万9500~218万6800円(消費税込み)。後輪駆動モーターの性能を引き上げた4WDモデルも12月に発表する予定。追浜工場(神奈川県横須賀市)で生産する。