社名変更に伴う経営体制に変更はない。ロゴもFCE発足時から変えずに維持する

 クラリオンは18日、社名を2021年1月1日に「フォルシアクラリオン・エレクトロニクス」に変更すると発表した。

 クラリオンは19年3月にフォルシアのビジネスグループの中核企業となり、先進運転支援システム(ADAS)やディスプレー技術などを中心に事業活動を展開してきた。

 フォルシアグループが持つアセットを生かしてコスト競争力を強化するなど、持続的成長に向けた事業基盤が整ってきたと判断。事業運営だけでなく社名上でもグループとしての位置付けを明確にする。

 フォルシアは、日立製作所傘下だったクラリオンを19年3月に子会社化した。法人格は残したクラリオンに加え、仏パロットフォルシアオートモーティブ、中国コエージェントエレクトロニクスの3社を統合する形で、同年4月にグループ4つ目の事業部としてのフォルシア・クラリオン・エレクトロニクス(FCE)を設立している。

 現在、自動車用コックピットや駐車支援といった低速ADASとディスプレー関連領域での製品開発を担い、クラリオン時代から培ってきた技術力や信頼性も武器にして国内自動車メーカーを中心にビジネスを継続、強化している状況だ。

 クラリオンはフォルシア傘下に入って以降、グループ内リソースをフル活用しコスト競争力を高めてきた。ローコストカントリーからの部品仕入れを増やし、生産・研究開発領域でもコスト低減を進め、足元では「2割程度低減できている」(村上洋社長)という。低減目標は3割を掲げており、新社名に変更後もコスト競争力に磨きをかけ、新規受注獲得につなげていく。

 今回の社名変更に当たり経営体制に変更はないが、フォルシアグループとしての事業基盤が整い、社名も事業方針とリンクさせることで、名実ともに車載エレクトロニクス部門をけん引するための企業組織となる。今後もコックピットエレクトロニクスとディスプレー技術、ADASの3技術領域での事業展開を加速する方針だ。

 村上社長は「事業部を設立して1年半が経過し、組織もビジネスプロセスもフォルシアグループの一員としての基盤が整ってきた。既存領域のみならず、5年、10年先を見据えたイノベーション創出にも取り組んでいく」と話す。