JFEスチールは、西日本製鉄所・福山地区(広島県福山市)で、製鉄プロセスの二酸化炭素(CO2)発生量の抑制に効果がある高炉用原料のフェロコークスの製造設備を稼働したと発表した。神戸製鋼所と日本製鉄、新エネルギー・産業技術機構(NEDO)と共同実施するプロジェクトの実証実験を9日に開始した。これにより、2023年までに製鉄プロセスのCO2排出量とエネルギー消費量を約10%削減する技術の確立を目指す。

 フェロコークスは高炉原料で、低品位の石炭と鉄鉱石、バインダーを練り合わせて製造する。コークス中に約30%含まれる金属鉄の触媒作用で、高炉内の還元効率を高め、コークス投入量とCO2発生量の削減を目指す技術だ。

 新設した製造設備の生産能力は日産300㌧。商用化の想定規模は同1500㌧で、商用化の前段階の実証設備となる。粉砕・乾燥設備や混錬・成型設備、乾留設備で構成する。

 実証実験では、22年度までに同設備で製造したフェロコークスを実高炉へ長期的に連続装入し、操業安定性に及ぼす影響などを評価する。その後は高炉使用時のCO2排出量の大幅削減や省エネルギー、フェロコークスの製造技術の開発などを通じて23年頃までに製銑プロセスの技術革新を目指す。

 NEDOと鉄鋼3社は17年度に「環境調和型プロセス技術の開発/フェロコークス技術の開発」プロジェクトを開始した。省エネルギーとCO2排出量の削減を実現する、製鉄プロセス技術の開発を進めている。