京都の商家では、御政道をかたく守り、我が身をつつしむ、いわゆる遵法が、家の相続と繁盛のためには、きびしく要求された。向井家の「家内論示記」には、遵法について、「天は理のみ、人として能く理に順(したが)う時は、則天に順う。天に順うものは存(ながらう)べし、天に逆(さからう)者は必ず亡ぶ」として法を守る事を厳しく律したのである。特に、博奕(とばく)の…