冠水被害を受けた車両を牽引するRS車両

 日本自動車連盟(JAF、藤井一裕会長)の九州本部は、「令和2年7月豪雨」に伴うロードサービス(RS)の救援要請件数を発表した。豪雨被害が発生した3日から各支部が通常体制に戻った13日までの期間で、車両の冠水など水害を理由としたRSの救援要請件数は計1208件を数えた。そのうち、福岡県が579件、熊本県が460件とそれぞれ被害が大きかった。

 3日夜から九州南部を襲った豪雨は、熊本県と鹿児島県で河川の氾濫や土砂崩れなどを引き起こした。4日からは5日連続でRSの救援要請件数が50件を超えた。6日には、福岡県大牟田市、長崎県大村市、大分県日田市など九州北部にも豪雨被害が広がった。福岡県では7日にRSの救援要請件数がピークの231件を記録した。

 JAF九州本部は5~8日にかけて、RS車両と隊員をRSの救援要請件数が多い地域に集中して派遣した。同本部によると、RSの救援要請内容は被害の発生時間と連動して変化するという。水害発生直後は路上で運転不能になった車両の引き上げが中心で、数日経過すると自宅の復旧が一段落したユーザーから駐車場で動かなくなった車両の救援が増えた。

 「約8年前から、夏季に短時間の集中的な大雨によるRSの救援要請件数が増えている。冠水した路面を走行してトラブルに見舞われるケースが多い。よほどの緊急性がない限り、自動車を使用しての避難は控えてほしい」(同本部関係者)と注意を促す。